※第32〜39話と最終回の内容に触れています。
『電磁戦隊メガレンジャー』といえば何を思い浮かべるだろうか。
高校生戦隊。デジタル。メガシルバー。メガボイジャー。そして卒業式。
もちろん、どれも『メガレンジャー』を代表する魅力だ。でも僕がこの作品について語るなら、まず叫びたい。
ネジレ獣とサイコネジラーLOVE❤️
僕は怪獣や怪人を見るのが大好きだ。特に『メガレンジャー』の怪人はたまらない。
ライオン。コンドル。トカゲ。
見慣れた動物をモチーフにしながら、「ネジレジアの怪人」に変換すると、とんでもなく異形の存在になる。
この動物モチーフが最高なのだ。
怪人の名前を聞けば、ライオンやコンドルといった元の動物が頭に浮かぶ。ところが実際の姿を見ると、その想像のままでは収まらない。知っている生き物の特徴を探しながら、同時に「こんな姿になるのか」と驚ける。その二つを一緒に楽しめるのが、僕の好きなところだ。
だから今回は、主人公たちの活躍を順番に振り返るというより、怪人を入口にして『メガレンジャー』を語ってみたい。特に好きな3体を見ていくと、僕がこの作品の敵に惹かれる理由も、少しずつはっきりしてくる。
『電磁戦隊メガレンジャー』とは?
『電磁戦隊メガレンジャー』は1997年に放送を開始したスーパー戦隊シリーズ第21作。
番組概要|1997年の高校生戦隊
| 作品名 | 電磁戦隊メガレンジャー |
|---|---|
| シリーズ | スーパー戦隊シリーズ第21作 |
| 放送期間 | 1997年2月14日〜1998年2月15日 |
| 放送局・話数 | テレビ朝日系列・全51話 |
| ヒーロー側の組織 | I.N.E.T.(アイネット) |
| 敵組織 | 邪電王国ネジレジア |
| 中心となるモチーフ | デジタル技術と高校生の青春 |
物語の中心にいるのは、諸星学園高校の5人。彼らはI.N.E.T.のプロジェクトに関わり、デジタイザーで変身してネジレジアと戦う。ヒーローとしての活動と学校生活が並んで描かれるため、「高校生戦隊」という言葉が作品の特徴をよく表している。
- メガレッド/伊達健太:正義感の強い高校生。
- メガブラック/遠藤耕一郎:5人のリーダーで、デジタル研究会の会長。
- メガブルー/並樹瞬:プログラムを得意とする秀才。
- メガイエロー/城ヶ崎千里:しっかり者の姉御肌。
- メガピンク/今村みく:学校の人気者で、甘えん坊な一面もある。
第24話から参戦するメガシルバー/早川裕作は、I.N.E.T.の技術者で5人の兄貴分。学生たちとは立場の違う大人の戦士として加わる。なお、僕が後で書く「おじさんヒーロー」は、公式の肩書きではなく、僕の中での呼び方だ。
巨大ロボ戦では、メガシップとメガシャトルが電磁合体するギャラクシーメガが活躍。さらにデルタメガとの超電磁合体によるスーパーギャラクシーメガ、5機のボイジャーマシンが銀河合体するメガボイジャーなど、新しい戦力が登場していく。
敵は別世界のネジレ次元から侵攻してくるネジレジア。送り込まれるネジレ獣やサイコネジラーに加え、メガレンジャーと対になる邪電戦隊ネジレンジャーも登場する。サイコネジラーが個々の怪人であるのに対し、ネジレンジャーは敵側の戦隊。この名前の違いを押さえると、後半の敵を整理しやすい。
放送期間とメンバーは東映の作品紹介、全51話という話数は日本コロムビアの作品情報、追加戦士や主要回は東映ビデオの収録話紹介でも確認できる。
伊達健太、遠藤耕一郎、並樹瞬、城ヶ崎千里、今村みく。5人の高校生がメガレンジャーとなり、異次元から侵攻してきた邪電王国ネジレジアと戦う。
ゲームやパソコンなど、1990年代後半らしい「デジタル=未来」というワクワク感を戦隊に持ち込んだ作品でもある。
しかし僕が今回語りたいのは、そこだけではない。
むしろ敵だ。
高校生たちの身近な日常と、異次元からやってくる敵。その組み合わせを考えると、怪人の異様な姿が日常の外側にあるものとして際立つ。学校へ通う5人が相手にするのは、同じ世界の普通の生き物ではない。動物らしさはあるのに、見慣れた姿とは違う。この距離が、ネジレジアという敵の世界を感じさせてくれる。
デジタルという言葉からは、ゲームやパソコン、機械の機能を思い浮かべる。一方、怪人の名前には動物の名前が入っている。作品を紹介するときにはヒーローの装備に目が向きやすいけれど、敵の造形にも、別の方向から楽しめる入口があるのだ。
ネジレ獣の「動物+ねじれ」が好き
ネジレジアが送り込んでくるネジレ獣。動物や生物を思わせるモチーフに、「ねじれ」という異常さを組み合わせる。
元ネタは分かりやすい。でも普通じゃない。生き物としてどこかがおかしい。
この感じがいい。
動物そのものが分からなくなるほど変えてしまったら、元の生き物を見つける楽しみは薄くなる。逆に、動物の特徴をそのまま人型に置いただけなら、「ねじれ」という言葉から受ける異様さには届かない。見慣れた特徴が残っているからこそ、そこから外れた部分が目に入る。
たてがみならライオン、翼なら鳥、エリマキならエリマキトカゲ。まず、その怪人の中に動物を見つける。次に、動物だけでは説明できない姿を見つける。僕が言う「動物+ねじれ」の面白さは、そういう見方にもある。
ヒーロー側がデジタルで未来的だからこそ、敵側には「歪んだ生物」という気味の悪さがある。
僕は戦隊怪人を見ると、「これは何の生き物がモチーフなんだろう?」と考えるのが好きだ。
だから『メガレンジャー』は、怪人が登場するだけでも楽しい。そして後半、僕の好みはさらに加速する。
サイコネジラーLOVE❤️
後半に登場する強化怪人、サイコネジラー。ここからがまた最高なのだ。
ライオンネジラー。ヤマアラシネジラー。カマキリネジラー。コンドルネジラー。カナリアネジラー。トカゲネジラー……。
動物モチーフを残しながら、ネジレ獣以上に異形でメカニカルな雰囲気になっていく。
その中でも特に僕が好きなのが、ライオンネジラー、コンドルネジラー、トカゲネジラー。
この3体だ。
この3体は、好きな怪人を並べたときに、元の動物がきれいに分かれる。ライオンは哺乳類、コンドルは鳥、エリマキトカゲは爬虫類。体の特徴も、印象を決める部分も違う。その違いを残したまま、同じサイコネジラーという怪人の仲間になっている。
ライオンネジラーでは王道の動物が変わる面白さ、コンドルネジラーでは翼がつくる輪郭、トカゲネジラーではエリマキと機械のギミックに注目したい。単に「3体ともカッコいい」で終わらせず、どの部分が好きなのかを順番に見ていこう。
ライオンネジラー――サイコネジラーの始まり
まずはライオンネジラー。
第33話「ウキウキ!月から来た恋人」に登場する、最初のサイコネジラーだ。ライオンをモチーフにしながら、弾丸やライフリングを思わせる要素まで組み込まれている。
ライオンという王道モチーフなのに、全然普通のライオン怪人じゃない。
ここが好きだ。
ライオンというモチーフは、たてがみや百獣の王というイメージだけでも、強そうな存在として伝わる。そこに弾丸やライフリングを思わせる要素が入ると、自然界の強さとは違う、武器を持った怪人の印象が重なってくる。動物と兵器を一緒に感じさせる姿になるのだ。
ライオンらしさを残しながら、そのままの姿では終わらない。元の動物の分かりやすさと、そこから変化した異形の部分を同時に見られる。僕が「普通のライオン怪人じゃない」と言いたくなるのは、この重なりがあるからだ。
たてがみのある百獣の王を、そのままヒーロー番組らしいライオン怪人にするのではなく、「サイコネジラー」という世界観を通して異形へ変えてしまう。
そして何より、こいつがサイコネジラー第1号。
後半戦の怪人が変わった。そんな印象を残してくれる一体でもある。
最初のサイコネジラーという立ち位置も、この姿の印象と切り離せない。後から振り返るとき、ライオンネジラーは、サイコネジラーが登場し始める地点を示す怪人になる。好きな造形の一体であると同時に、敵側の新しい顔を見せてくれる一体でもある。
しかも、その始まりに使われているのが、誰もが姿を思い浮かべやすいライオンだ。分かりやすい動物だからこそ、それをどんな怪人に変えるのかが伝わりやすい。最初の一体としての役割と、王道モチーフを異形へ変える面白さが重なっている。
コンドルネジラー――鳥モチーフが怪人になるカッコよさ
続いてコンドルネジラー。
第36話「はばたけ!宇宙(そら)に舞う希望の翼」に登場するサイコネジラーで、モチーフはその名の通りコンドル。
鳥モチーフの怪人って、やっぱりいい。翼があるだけでシルエットが大きくなる。人型の怪人でありながら、人間とはまるで違う輪郭になる。
ライオンのたてがみが顔の周囲に動物らしさをつくるのに対し、翼は体全体の輪郭を変える。顔を見る前から、鳥をモチーフにした存在だと分かる。人型を土台にしていても、左右に広がる形があることで、立ち姿の印象まで違ってくる。
動物の特徴をどこに置くかによって、怪人の見え方も変わる。ライオンネジラーとコンドルネジラーを並べて考えると、同じ動物モチーフでも、単に顔を変えただけではないことが分かる。翼のある怪人が好きという僕の好みも、こうした輪郭の面白さにつながっている。
そしてこの回は、僕の好きなメガシルバー/早川裕作にも深く関わる。
裕作はケイタイザーを取り上げられて変身できない状態となり、コンドルネジラーに襲われる。さらに裕作を人質にして、メガボイジャーを破壊させようとする。
ただカッコいいだけじゃない。
ちゃんと悪い。
ヒーローを人質に取ってロボを壊させようとする。こういう悪役らしさもいい。
相手を殴って倒すだけなら、勝負の焦点は戦闘の強さになる。ところが人質がいると、ヒーロー側は相手を攻撃するだけでは問題を解決できない。裕作を助けたいという気持ちと、メガボイジャーを守る必要が同じ場面に持ち込まれる。怪人の作戦が、ヒーローの行動を縛ってしまうのだ。
しかも、狙われるのが僕の好きなメガシルバーで、破壊の対象になるのがメガボイジャー。好きなヒーローとロボが関わるから、この怪人を語るときには姿の話だけで終わらない。コンドルネジラーには、造形と劇中での悪役としての役割、両方の見どころがある。
僕の「サイコネジラーLOVE❤️」と「メガシルバー大好き」がぶつかる回でもある。
トカゲネジラー――エリマキトカゲをここまで異形にするか
3体目はトカゲネジラー。名前はトカゲネジラーだが、モチーフはエリマキトカゲ。
第39話「バレたぜ!メガレッドの正体」に登場する。
これも好きなんだよなあ。
エリマキトカゲという、一目で特徴が分かる動物を怪人にする。当然、一番目立つのはあの巨大なエリマキ。
しかも劇中では、両目に透視カメラを備え、メガレンジャーの正体を暴こうとする怪人として登場する。
動物の特徴が分かりやすい。
でも、ただのエリマキトカゲ男ではない。『メガレンジャー』らしい機械的なギミックまでくっついている。
エリマキは、元の動物を知っている人ならすぐに気づく特徴だ。その大きな形が残っていることで、トカゲネジラーという名前と姿が結びつく。一方、両目の透視カメラは動物の特徴とは別の働きを持つ。見た目のモチーフと、怪人としての能力が、一体の中に組み合わされている。
さらに、そのカメラの目的はメガレンジャーの正体を暴くこと。強い光線で相手を倒すという方向だけでなく、ヒーローの秘密に迫る仕組みになっている。高校生たちが変身して戦う作品だからこそ、正体を探る怪人は学校生活のある彼らにとっても厄介な存在になる。
この、「元の動物が分かるのに、とんでもない怪人になっている」という感覚こそ、僕がサイコネジラーに惹かれる理由なのかもしれない。
メガボイジャー初登場は今でも忘れられない
怪人以外で忘れられないのがメガボイジャーだ。
初登場は第32話「終わりか!? 絶体絶命ギャラクシーメガ」。ギャラクシーメガが追い詰められたところへ、新たな巨大ロボが現れる。
メガボイジャー。
5機のボイジャーマシンが銀河合体する新戦力。
旧ロボが追い詰められる。絶体絶命になる。そこへ新ロボ登場。
王道である。しかし王道だからこそ燃える。
「来たー!」
となる。
この「来たー!」には、それまでのピンチが必要なのだ。ギャラクシーメガが追い詰められるから、新しいロボの登場が状況を変える瞬間になる。最初からメガボイジャーがいる場面と、絶体絶命のところへ現れる場面では、同じロボでも受け取る印象が違う。
5機のボイジャーマシンが合体するという見せ場に、新戦力への期待が重なる。ロボの姿を楽しむことと、ここから反撃できるという物語の勢いを楽しむことが一緒になる。僕にとって忘れられない初登場なのは、機体の名前だけでなく、その登場の流れも含めて記憶に残るからだ。
僕が『メガレンジャー』で忘れられないエピソードを一つ挙げるなら、やっぱりこの回だ。
メガシルバーは「おじさんヒーロー」なのがいい
そしてメガシルバー/早川裕作。高校生5人とは違う、大人の追加戦士。
僕の中では、「おじさんヒーロー」という立ち位置で大好きだ。
頼りになる。強い。高校生たちとは違った余裕もある。
でも初期のメガシルバーには弱点があった。
変身時間は2分30秒。
この設定が好きだった。
強いけれど、ずっと戦ってはいられない。時間が迫ってくる。あと何秒戦えるのか。
この制限があることで、メガシルバーの戦闘には独特の緊張感があった。
第35話ではその時間制限を克服する。もちろんパワーアップとしては嬉しい。
でも僕は、時間制限があった頃のメガシルバーの方が好きだ。
不完全だからこそ面白かった。強さと弱点が同居しているヒーローだったからだ。
2分30秒という具体的な数字があると、強さの見方が変わる。敵より強いかどうかに加えて、制限時間のうちに戦いを終えられるかという問題が生まれる。戦いが長引くことそのものが不利になるので、時間の経過も見どころの一つになる。
頼れる大人の戦士なのに、変身していられる時間には限りがある。その頼もしさと不完全さが同じ人物の中にあるところが、初期のメガシルバーの面白さだった。制限を克服する展開は成長として受け止められる。それでも、制限があった頃の緊張感を好きだと思うことは、その展開への評価とは別に残るのだ。
最終回?まぁ高校生だから卒業式だよね〜
そして『メガレンジャー』最終回。第51話のタイトルは、「つかむぜ!俺たちの卒業証書」
高校生戦隊の物語が卒業式で終わる。青春物としてきれいな着地だと思う。
学校へ通う高校生たちの物語として見ると、卒業は日常にも区切りをつける出来事だ。戦いが終わるだけでなく、5人の高校生活にも終わりが来る。だから卒業証書という言葉は、ヒーローの活躍とは別に、彼らが学生だったことを最後まで思い出させてくれる。
ただ、作品の締めくくりとして納得することと、自分が一番好きな部分として選ぶことは同じではない。僕の場合、物語の着地のよさは認めながらも、気持ちが向く先はやっぱり怪人なのだ。最終回の感動を中心に語る人がいてもいいし、毎回現れる敵の姿から語る人がいてもいい。
ただ、僕の場合は、「まぁ高校生だから最終回は卒業式だよね〜」という感じだったりする。
もちろんいい最終回だ。でも僕にとって『メガレンジャー』の魅力を一つ選べと言われたら、卒業式ではない。
やっぱり――。
僕にとって『メガレンジャー』とは?
『メガレンジャー』には魅力がたくさんある。
高校生5人の青春。1990年代らしいデジタル感。メガボイジャー登場の興奮。おじさんヒーロー、メガシルバー。卒業式へ向かっていく最終章。
でも僕が一言でまとめるなら、ネジレ獣とサイコネジラーLOVE❤️なのである。
特に、ライオンネジラー。コンドルネジラー。トカゲネジラー。
ライオン、鳥、爬虫類。まったく違う動物が『メガレンジャー』という作品を通すことで、揃って奇妙でカッコいい異形の怪人になる。
僕はこういうものが大好きなんだ。
高校生だったメガレンジャーの5人は、最後には高校を卒業した。
でも――。
僕はネジレ獣とサイコネジラーから卒業できそうにない。
作品情報:東映「せんたいヒストリー:電磁戦隊メガレンジャー」
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