『ウルトラマンテオ』をきっかけに、初めてウルトラマンシリーズを観た。
「面白かったから、ほかのウルトラマンも観てみたい。でも60年も歴史があるなら、どこから観ればいいんだ?」
そんな人もいるのではないでしょうか。
大丈夫です。
ウルトラマンシリーズは基本的に一作品ごとに独立しているので、初代『ウルトラマン』から順番に全部観る必要はありません。
むしろ『テオ』のどこを面白いと思ったのかを手掛かりに、次の作品を選ぶのがおすすめです。
『ウルトラマンテオ』は、宇宙怪獣に故郷の星「H12」を滅ぼされた宇宙人テオが、明心大学 獣医学部獣医学科の3年生・光石イブキとして地球で暮らしながら、怪獣や仲間たちと関わって成長していく物語です。獣医学の監修には麻布大学が参加していて、「動物の命を救う勉強をしている主人公」という設定はかなり本気で作り込まれています。
2026年8月15日現在、第7話まで放送された『テオ』から見えてくるのは、
- 異星人が地球で生きること
- 怪獣は本当に倒すべき敵なのか
- 仲間との出会いによってヒーローになっていくこと
といった、実は60年間のウルトラマンシリーズで繰り返し描かれてきたテーマです。
そこで今回は、『テオ』からシリーズに入った人にこそ観てほしい6作品を、『テオ』からの距離が近い順に並べてみました。
まずは一覧で
| 作品 | 放送年 | 話数 | 『テオ』との接点 |
|---|---|---|---|
| ウルトラマンオメガ | 2025〜26 | 全25話 | 直前作。記憶を失った宇宙人+味方になる怪獣 |
| ウルトラマンメビウス | 2006〜07 | 全50話 | 地球を知らないウルトラマンの成長物語 |
| ウルトラマンコスモス | 2001〜02 | 全65話 | 怪獣を倒さず救う「慈愛の巨人」 |
| ウルトラマンジード | 2017 | 全25話 | 自分は何者なのかというアイデンティティの物語 |
| ウルトラマンブレーザー | 2023 | 全25話 | 理解できない相手とどう向き合うか |
| ウルトラマン | 1966〜67 | 全39話 | すべての源流 |
配信は基本的にTSUBURAYA IMAGINATIONで揃います。YouTubeの「ウルトラマン公式チャンネル」でも旧作が期間限定で無料公開されることがあるので、気になる作品が来たタイミングで拾うのも手です。
1.ウルトラマンオメガ――いちばん近くにある「隣の作品」
『テオ』の直前に、同じ土曜あさ9時の枠で放送されていたのが『ウルトラマンオメガ』(2025年7月〜2026年1月/全25話)です。
物理的にも内容的にも、いちばん近い一本。
主人公のオオキダ・ソラトは、記憶を失った状態で地球に落ちてきた宇宙人。ひょんなことからフリーターの青年ホシミコウセイと出会い、相棒として一緒に暮らしながら怪獣災害に立ち向かっていきます。
もう気づいたと思いますが、
「故郷や記憶を失った宇宙人が、地球で人間と暮らしながらヒーローになっていく」
という骨格が『テオ』とほぼ同じです。
しかも『オメガ』の面白いところは、怪獣が敵ではないこと。
コウセイに懐いた「メテオカイジュウ」たちは、ウルトラマンと一緒に戦う味方として登場します。普段は小さな姿でカバンの中に入っていて、そこでケンカしたりもする。
プッチーが好きな人が、いちばん抵抗なく入っていける作品だと思います。
そして全25話。話数の面でも、『テオ』を待ちながら並行して観るのにちょうどいい分量です。
こんな人におすすめ:とりあえず今すぐ次を観たい/プッチーみたいな怪獣が好き
2.ウルトラマンメビウス――「地球を知らないウルトラマン」の成長物語
じっくり一本を選ぶなら、僕は『ウルトラマンメビウス』を推します。
『テオ』とテーマ的な共通点が非常に多いからです。
メビウスはM78星雲・光の国から地球へ派遣された若きウルトラマン。地球では「ヒビノ ミライ」という人間の姿で生活し、仲間たちとの友情を育みながら、一人前のウルトラマンへと成長していきます。
『テオ』のイブキもまた地球人ではありません。
獣医学科の学生として大学に通ってはいるものの、地球の常識が完全には身についておらず、人間たちとの交流を通じて地球という場所を知っていきます。
つまり両作品とも、
「ウルトラマンが完成されたヒーローとして地球へ現れるのではなく、人間たちと出会うことでヒーローになっていく」
物語なのです。
天文研究会の仲間たちとの交流が好きなら、『メビウス』のCREW GUYSの仲間たちもきっと好きになるはず。
さらに『メビウス』を観ていくと、昭和の歴代ウルトラマンたちにも自然と触れられます。
全50話とやや長めですが、『テオ』から60年のウルトラマン史へ踏み出す「橋」として、かなり優秀な一本です。
こんな人におすすめ:イブキの成長や仲間との友情が好き
3.ウルトラマンコスモス――「怪獣を倒さない」というウルトラマン
『テオ』を観ていて、
「この怪獣、本当に倒さなきゃいけないの?」
と思ったことがある人には『ウルトラマンコスモス』です。
主人公・春野ムサシは、怪獣を単純に人類の敵と考えません。
怪獣と共存する道を模索し、凶暴化した怪獣に対しても、可能なら命を奪わず救おうとします。第1話からムサシは凶暴化した友達の怪獣リドリアスを自ら止めようとし、そこで「慈愛の巨人」ウルトラマンコスモスと再会します。
ここで思い出してほしいのが、イブキが獣医学科の学生だということ。
動物の命を救う勉強をしている人間が、怪獣を殺すヒーローになる。
『テオ』は、この矛盾を主人公の設定そのものに埋め込んだ作品です。第7話「捨てられた怪獣」に至っては、タイトルからして人間と怪獣の関係を問いかけています。
怪獣には怪獣の事情がある。
人間と怪獣は共存できないのか。
そもそも人間側の都合だけで怪獣を善悪に分類していいのか。
そんな『テオ』から感じた問題意識を、25年前に真正面から掘り下げた作品が『コスモス』です。
ただし全65話。今回紹介する中では一番のボリュームです。
最初から順番に全部観る必要はありません。気になった怪獣の回だけ拾い読みするような観方でも、この作品の思想はちゃんと伝わります。
こんな人におすすめ:プッチーが好き、怪獣との共存というテーマが気になる
4.ウルトラマンジード――「自分は何者なのか?」から始まるヒーロー
『ウルトラマンジード』の主人公・朝倉リクもまた、自分の出自と向き合うことになる若者です。
物語の序盤、リクは自分がウルトラマンの遺伝子を持っていることを知り、ウルトラマンジードへ変身。
ところが、その姿は宇宙を恐怖に陥れた悪のウルトラマン・ベリアルによく似ていました。
自分はいったい何者なのか。
生まれによって、自分の生き方まで決められてしまうのか。
それでも「自分がどう生きるか」は、自分で選べるのではないか。
『ジード』はそんな物語です。
故郷H12を失い、地球で光石イブキとして生きているテオもまた、「宇宙人である自分」と「地球で暮らす自分」の間に立っている存在です。
さらに『ジード』には、リクと一緒に暮らしている宇宙人ペガをはじめ、地球人以外の存在が当たり前のように物語へ入ってきます。
「地球人か宇宙人か」ではなく、「その人がどう生きるのか」。
『テオ』の異文化交流的な部分が好きなら、ぜひ観てほしい作品です。全25話。
こんな人におすすめ:イブキ自身の秘密やアイデンティティに興味がある
5.ウルトラマンブレーザー――「わからない相手」とどう向き合う?
少し大人っぽいウルトラマンを観てみたいなら『ウルトラマンブレーザー』。
主人公ヒルマ ゲントは、特殊怪獣対応分遣隊SKaRDの隊長。
そして人類側から見たブレーザーは、そもそも味方なのか敵なのかさえ分からない「未確認大型宇宙人」として登場します。ゲント自身も、ブレーザーと関わりながら怪獣災害に立ち向かっていきます。
この作品で面白いのは、とにかく「相手のことが分からない」こと。
人間には人間の論理があり、怪獣には怪獣の生態があり、宇宙人には宇宙人の事情がある。
人間が理解できないものを、すぐに敵と決めつけていいのか。
これは『テオ』が掲げる「種の異なる者同士が、疑念や反発を乗り越えて手を取り合う」というテーマにもつながっています。
大学生を主人公にした比較的柔らかな空気の『テオ』とは、作品の手触りがかなり違います。学生サークルの物語と、家族を持つ社会人隊長の物語。
だからこそ面白い。
同じ「人間・怪獣・宇宙人」という素材から、こんな作品まで作れるのか――というウルトラマンシリーズの懐の広さを感じられる一本です。全25話。
こんな人におすすめ:怪獣や宇宙人を単純な善悪で描かない話が好き
6.ウルトラマン――最後はやっぱり、すべての始まりへ
そして6作品目は、1966年の初代『ウルトラマン』。
「60年前の作品なんて古くない?」
と思うかもしれません。
もちろん映像やテンポは現代作品とは違います。
でも『テオ』から遡って観るからこそ、面白い。
そもそも『テオ』自体が、ウルトラマンシリーズ60周年記念作品として制作されています。2026年7月10日で、シリーズは誕生から60年を迎えました。
そして初代『ウルトラマン』を観てみると、
怪獣とは何なのか。
宇宙人と人類は理解し合えるのか。
科学技術は人類を幸福にするのか。
人間は地球を好き勝手にしていいのか。
といった問題を、60年前から扱っていたことに驚かされます。
『テオ』で描かれているテーマの多くは、突然2026年になって生まれたものではありません。
時代に合わせて形を変えながら、ウルトラマンというシリーズがずっと問い続けてきたものです。
『テオ』からウルトラマンを知った人が初代へ戻る。
これは「古い作品を勉強する」というより、
「自分が好きになった作品の源流を探しに行く」
という楽しみ方だと思います。
全39話を一気に観る必要もありません。
まず何話か観て「60年前のウルトラマンってこんな作品だったんだ」と感じるだけでも十分。
そこからウルトラセブン、帰ってきたウルトラマン、ティガ……と興味が枝分かれしていけば、もう立派にウルトラ沼の入口です。
こんな人におすすめ:『テオ』をきっかけにウルトラマンそのものをもっと知りたくなった
まとめ――『テオ』を入口に、60年の歴史を好き勝手に歩こう
今回紹介した6作品をまとめると、
- とにかく今すぐ次が観たいなら『ウルトラマンオメガ』
- 「成長物語」が好きなら『ウルトラマンメビウス』
- 「怪獣との共存」が気になるなら『ウルトラマンコスモス』
- 「自分は何者なのか」というイブキの物語に惹かれたなら『ウルトラマンジード』
- 「人間には理解できない存在との遭遇」が好きなら『ウルトラマンブレーザー』
- ウルトラマンという作品そのものをもっと知りたいなら、1966年の『ウルトラマン』
この順番で全部観る必要はありません。
気になった一本から観ればOKです。
ウルトラマンには60年の歴史があります。
それは「60年分履修しなければ最新作を理解できない」という意味ではありません。
むしろ逆。
60年分も作品があるからこそ、ひとつ好きなものを見つければ、そこから似た作品、正反対の作品、元祖となった作品へと、どこまでも寄り道できる。
『ウルトラマンテオ』は、その巨大な世界へ入るための新しい入口です。
テオから入ったあなた。
次は、どのウルトラマンに会いに行きますか?
参考

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