大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE|90点。それでも僕はウルトラシリーズ最高傑作だと思う

「ウルトラ銀河伝説」(ゼロ初登場作を解説)のアイキャッチ ウルトラマン

『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』を、僕は劇場に2度見に行った。100点満点なら90点。かなり大きな不満もある。

それでも、僕はこの映画をウルトラシリーズ最高傑作だと思っている。

歴代ウルトラ戦士を、そんな簡単に倒すなよ。ゼロ、強すぎだろ! 可愛くない!! 文句は出る。でも、ハヤタとダンとミライの変身を見ると、またこの映画が好きになる。今でもそこを何度も繰り返して見ている。

過去のウルトラシリーズを巨大なお祭りとして総決算し、ゼロとベリアルへバトンを渡した。その映画の中で、僕が一番見てしまうのはウルトラマンとハヤタだ。今回は、そんな少し面倒くさいファンの感想を書きたい。※結末と戦闘場面に触れます。

ウルトラ銀河伝説とは?ゼロとベリアルが初登場した2009年の映画

正式タイトルは『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』。2009年12月12日公開、監督は坂本浩一。ウルトラマンゼロとウルトラマンベリアルの初登場作品だ。

光の国を襲ったベリアルに、ウルトラ戦士たちと怪獣使いのレイが立ち向かう。テレビ作品『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』や『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル NEVER ENDING ODYSSEY』から、レイとZAP SPACYの仲間たちの物語も引き継いでいる。

ゼロはウルトラセブンの息子。レオのもとで修行を続け、自分の父がセブンであることをキングから知らされる。新しいヒーローを登場させると同時に、先輩たちとのつながりを描く映画でもある。

ゼロとベリアルの映画?僕が見てしまうのはハヤタとダンだ

何度でも見てしまうハヤタ、ダン、ミライの変身

ゼロ初登場。悪のウルトラマン、ベリアル登場。作品紹介なら、まずそこが大きな話題になる。分かる。分かるけれど、僕が一番好きなのはウルトラマンとハヤタなんだ。

ハヤタの変身。モロボシ・ダンの変身。そしてヒビノ・ミライの変身。この一連の場面が大好きで、現在でも何度も繰り返して見ている。

「昔の人が出てきて懐かしい」だけなら、ここまで見返さないと思う。ハヤタとダンは、長いシリーズの歴史を背負ってそこにいる。その二人と、比較的新しい世代のミライが並んで、もう一度ウルトラ戦士になる。

過去を振り返る映画の中で、過去のヒーローがちゃんと今の戦いへ出てくる。その間をミライがつないでいるように、僕には見える。記念写真を撮って終わりじゃない。変身して、戦う。それが嬉しい。

たくちゃんの僕がここに弱いの似顔絵

僕がここに弱い
ゼロの登場を待つ映画なのに、ハヤタたちの変身を何度でも見てしまう。

怪獣墓場で背中合わせになるマンとセブン

怪獣墓場のウルトラマンとウルトラセブンも最高だ。大量の怪獣を相手に、あの二人が戦っている。

特に好きなのが、マンとセブンが背中合わせになる場面。二人の体が逆方向を向いて、それぞれが怪獣軍団に向き合う。僕は、あの並びを見ているだけで嬉しくなる。

強い技が出るから好き、だけじゃない。初代ウルトラマンとウルトラセブンのスーツが、同じ画面で動き、戦っている。その姿そのものに弱い。僕の特撮好きは、こういうところにも出る。

ゼロが派手に圧倒する場面とは、好きの種類が違う。僕はまず、マンとセブンが怪獣軍団に立ち向かっているところを見たい。新しい主役の映画でも、目がそちらへ行ってしまう。

悪のウルトラマン・ベリアルに驚いた

第一印象は「猫背だな」

ベリアルを初めて見たとき、僕は「猫背だな。エヴァから逆輸入されたのかな?」と思った。

ベリアルの前かがみの姿を見ると、僕はエヴァ的なシルエットを連想する。あの猫背が、光の国の戦士たちの姿からずれているように見えるのも面白い。

でも、見た目の印象以上に気になったのは、その出自だった。

「偽物」ではない悪のウルトラマンへの期待

ベリアルは、ウルトラマンに化けた別の宇宙人ではない。もともと光の国の戦士で、力を求めて追放され、レイブラッド星人の力によってさらに闇へ落ちた存在だ。

「にせウルトラマン」ではなく、ウルトラ族そのものから生まれた悪のウルトラマン。僕が興味を持ったのはここだった。

純粋に悪いウルトラマン、ベリアル。この先どう扱うんだろう。倒して終わるのか、まだ続くのか。劇場で観た当時の僕は、その先が気になっていた。新しいヒーローだけでなく、新しい悪役まで置いていくのがいい。

ゼロ、強すぎだろ!可愛くない!!

怪獣軍団を蹴散らす圧倒的デビュー

修行を終えて戦いに入ってきたゼロは、とにかく強い。怪獣軍団を相手にしても、勢いが落ちない。次代を任せる新しいヒーローとして、これ以上なく派手な登場だと思う。

そして僕の感想は、こうだ。

強すぎだろ! 可愛くない!!

嫌いという意味ではない。評価は高い。でも、登場したばかりなのに、こんなに完成されていていいのか。ちょっとくらい隙を見せろよ、と思ってしまう。

これは、セブンについて書いた「完璧すぎて可愛げがない」という感覚にも通じる。親子だから、という話ではなく、僕が完成度の高いものに文句を言いたくなるのかもしれない。

ゼットンやタイラントまで並ぶ軍団を、その勢いで?

ベリアルの軍団には、ゼットンやタイラントもいる。古参の怪獣ファンとしては、その顔ぶれを見ただけで嬉しい。だからこそ、ゼロが軍団を次々と蹴散らしていく勢いには戸惑った。

「ゼットンやタイラントまで、そんな勢いで倒していいのか!」という気持ちになる。新ヒーローの強さを見せる場面なのは分かる。でも僕には、倒される側にも好きな怪獣がいるんだよ。

ゼロ、頼もしい。格好いい。それでも可愛くない。この矛盾は、最後まで残る。

歴代ウルトラ戦士を雑魚扱いしないでくれ!

本作で僕が一番不満なのは、歴代ウルトラ戦士の扱いだ。光の国に侵入したベリアルによって、戦士たちが次々と倒されてしまう。

ベリアルの強さを見せたいのは分かる。しかし、僕の目には好きな戦士たちが雑魚のように扱われていると映った。何事か!!

俺の好きだったウルトラマンたちを、そんな簡単に倒すなよ!

オールスターとして登場してくれる喜びはある。だが、「出てくれただけで嬉しい」と「その扱いで納得できる」は別だ。僕がそれぞれの作品で好きになった戦士たちなのだから、敵の強さを示すために倒される姿を見ると、どうしても腹が立つ。

たくちゃんのここはかなり不満の似顔絵

ここはかなり不満
ベリアルを強く見せるためでも、歴代戦士の扱いには納得し切れない。

このモヤモヤは、後年の『ウルトラギャラクシーファイト』シリーズで歴代戦士の活躍を見るようになるまで、僕の中では完全には消えなかった。これは、後の作品が本作への不満を解消する目的で作られた、という意味ではない。あくまで僕の気持ちの話だ。

好きな映画だから、この不満を薄めるつもりはない。90点にしている僕が、この映画について一番文句を言いたいのはここだ。

よくやった!ウインダム、ミクラス、アギラ!

その一方で、思わず喜んだのがカプセル怪獣だ。ウインダム、ミクラス、アギラ。3体そろって登場し、敵怪獣を相手に戦って勝つ。

よくやった、ウインダム! ミクラス! アギラ!

ついにカプセル怪獣が勝った!僕はここで叫びたくなった。ウインダム、ミクラス、アギラ。3体そろって出てきただけでも嬉しいのに、ちゃんと敵を倒してくれる。これは大喜びするしかない。

3体が登場するだけでなく、ちゃんと戦果を挙げる。そこまで見せてくれるのが嬉しい。ゼロの強さに「可愛くない」と文句を言っていた僕が、こちらでは大喜びしている。分かりやすい怪獣好きだと思う。

たくちゃんの激推しポイントの似顔絵

激推しポイント
3体とも、よくやった!登場する喜びに、勝ってくれる喜びまで重なった。

歴代ウルトラ戦士の扱いには怒っている。でもカプセル怪獣には拍手したい。同じ映画で、その両方が起きる。だから僕の感想は、簡単に「全部最高」にはならない。

「なるほど、こう描くのか」巨大SF世界としての光の国

光の国が巨大なSF世界として広がるのを見たとき、僕の感覚は「なるほど、今回はこう描くのか」だった。初めて光の国を見た、という感動ではない。

僕には『ウルトラマンタロウ』や『ウルトラマン物語』で見てきた世界の延長線上にある。これまで知っていた場所が、この映画ではこんな広がりを持って描かれる。その見方だった。

本作では、スーツで演じるアクションとCG背景を組み合わせ、グリーンバック撮影やワイヤーアクションも取り入れている。背景のCG化と、ヒーローや怪獣の体の動きは、分けて考えたい。全部がCGの怪獣映画、というわけではない。

その映像の作り方が、光の国から怪獣墓場までの大きな世界を支えている。技術の新しさを説明するだけで終わるより、僕には、その空間でマンとセブンが戦っていることのほうが大事だ。

90点。それでも僕にとってはウルトラシリーズ最高傑作

歴代戦士の扱いにはかなり不満がある。ゼロは強すぎて可愛くない。好きな怪獣たちが蹴散らされるのにも、素直には喜べない。

それなのに、最高傑作? 自分で書いていても、面倒くさい評価だと思う。

でも、欠点がない映画だけを最高傑作と呼ぶ必要はない。僕の採点は90点。そのうえで、この映画を一番高く置きたい理由がある。

ハヤタとダンとミライが変身する。マンとセブンが怪獣軍団と戦う。カプセル怪獣も勝つ。レイたちの物語もそこに加わる。その大きなお祭りの中へ、ゼロとベリアルという新しい二人が入ってくる。

最後の戦いも、ゼロ一人だけですべてを終わらせる話ではない。レイやウルトラ戦士たちの力が重なっていく。そこも含めて、過去のシリーズと新しい主役が同じ映画の中にいる。

僕には、ここまでのウルトラシリーズを総決算し、ゼロとベリアルへバトンを渡す映画に見える。ハヤタとダンとミライの変身を繰り返し見ている僕が、新しく出てきた二人の先まで気になっている。90点。それでも、僕にはシリーズ最高傑作だ。

昔のヒーローを集めて終わりではない。この映画を見終わると、新しく登場した二人の先が気になる。その力まで含めて、僕は大傑作だと思っている。

どこで観られる?配信・視聴方法と関連作品の順番

配信は契約前に最新の作品ページを確認

2026年10月10日に確認したHuluの公式作品ページでは、本作は見放題として掲載されていた。配信状況は変わるため、契約前に最新の表示を確認してほしい。

Amazon内の「TSUBURAYA IMAGINATION for Prime Video」も確認先のひとつ。ただしPrime会員特典とは別の追加チャンネル契約で、配信作品は入れ替わる。公式チャンネル案内と、実際の作品ページで提供状況や条件を確認してほしい。DVD・Blu-rayなら、収録作品と特典内容を確認して選べる。

ゼロを追うなら公開順に

ゼロの映画を追うなら、本作(2009年)から『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』(2010年)、『ウルトラマンサーガ』(2012年)へ。その先に『ウルトラゼロファイト』(2012年放送開始)もある。これは主な関連作品の流れで、出演作品をすべて並べた一覧ではない。

『大怪獣バトル』のテレビ作品を知っていると、レイと仲間たちの関係をつかみやすい。まず本作でゼロに興味を持ってから、関連作品へ戻っていく読み方・観方もできる。

まとめ|ウルトラシリーズを総決算して、ゼロとベリアルへ

たくちゃんの僕の結論は90点の似顔絵

僕の結論は90点
不満もかなりある。それでも僕にとっては、ウルトラシリーズ最高傑作。

この映画で一番好きなのは、ウルトラマンとハヤタ。ハヤタ、ダン、ミライの変身は、今でも繰り返して見る。怪獣墓場のマンとセブン、カプセル怪獣3体の活躍も大好きだ。

歴代戦士の扱いには、今も文句がある。ゼロには「強すぎだろ! 可愛くない!!」と言いたくなる。それでも、過去を背負ったヒーローたちから次代へバトンが渡るこの映画を、僕は最高傑作だと思っている。

90点。不満もある。それでも最高傑作。

だから僕は、劇場へ2度見に行った。

次に読むなら

参考資料

円谷プロ:2009年制作発表
岡部淳也:作品紹介
坂本浩一監督インタビュー
講談社:作品とレイの物語
講談社:ゼロと最終決戦
円谷側:Prime Videoチャンネルの案内
Hulu:作品ページ
円谷プロ:2010年映画発表
バンダイビジュアル:ウルトラゼロファイト
バンダイナムコ:ゼロBlu-ray BOX

この作品をDVD・Blu-rayで観る

追加参考:円谷プロ公式・作品情報/円谷プロ公式・ベリアル/円谷プロ公式・ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀。場面の細部について公式の公開資料で確認できる範囲には限りがあり、対戦相手ごとの技・撃破手順や「初」の記録は本記事では断定していません。

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