
こんにちは、
シン・たくちゃんブログ
総監督のたくちゃんです。
シン・ゴジラを1分ずつ分解して
徹底解説する連載企画「ミニッツライナー」、
今回は第7回です!
今回の見どころまとめ
- 舞台は大会議室へ。関係閣僚による会議がスタート。
- 字幕に登場する「里見農水大臣不在」が伏線になっていた!?
- 黒背景に白文字で「中略」の意図とは?
今回は「情報の洪水」の中に潜む“巧妙な伏線”と“意図的な省略”に注目!
第7分目の舞台は、
首相官邸の大会議室。
ここで
「アクアトンネル浸水事故および
水蒸気爆発に関する複合事案対策会議」
が形式的に始まります。
まさに「ザ・お役所会議」な雰囲気。
会議が進行するなか、
画面に突然「中略」
というテロップが挿入されます。
この“中略”――
ただの編集カットに見えますが、
実はちゃんとした理由があるんです。
なぜ「中略」が挿入されたのか?
実はこの「中略」の背景は、
書籍『ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ』
に収録された「第八巻 完成台本」
で明かされています。
関係閣僚の一人、
柳原が資料の内容を
読むのを面倒くさがり、
要点を省略して
喋ってしまった結果、
後ろに控えていた
航空局長から
「ちゃんと発言してほしい
箇所に印をつけたメモ」
を渡されてしまうという展開が
脚本上にあったのです。
同じ話を二度してしまったので、
映画ではそこを「中略」としてカットした
というわけ。
一見、
テンポ重視の編集に見える
この演出も、
台本上では
人間のズボラさと形式主義の風刺
として描かれていたのです。
聞き逃す伏線「里見大臣の不在」
この会議シーンには、さらに見逃せない字幕があります。
「里見農林水産大臣は豪州外遊中のため不在」
この一文、実は後の展開に
強烈な伏線として効いてきます。
演じるのは平泉成さん。
映画中盤以降、
内閣の機能停止にともない
「総理大臣臨時代理」
として指名されるキーパーソンです。
彼がこの会議にいなかったことが、
後の「生存フラグ」につながる。
この伏線、初見ではなかなか気づけませんが、
実は字幕でこっそり提示されているんですね。
たくちゃんも気づいたのは
Blu-rayで再見したときでした。
初見殺しですね…
形式的な会議にも仕込まれた演出を見逃すな!という方が酷!!
一見、退屈そうに見える官邸会議のシーン。
でもそこには計算された構造が隠されていました。
- 形式だけが先行する政府の会議体質
- 人間の怠慢が生む「情報のズレ」
- そして、さりげなく仕込まれた伏線回収の種まき
どれもこれも、
庵野秀明監督ならではの
「構造美」が光る部分ですが
初見で気付くのは無理です!
って言うかぜったい、
分かってやってるでしょ!!
今回のまとめ
- 会議は「形式優先」だからこそリアルに感じる
- 「中略」演出の背後には、柳原のミスと風刺がある
- 「里見大臣不在」は後の伏線!字幕こそ見逃すな!
次回予告|【第8回】シン・ゴジラは難解?フラグと展開の“分かりやすさ”を解剖!
第8回では、
いよいよ会議中に“何か”が起きはじめます。
難解に見える本作ですが、
実は“超わかりやすい構造”が隠されているんです。
次回もお楽しみに!
参考文献
- 『ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ』株式会社カラー
- 付属資料『シン・ゴジラ 第八巻 完成台本』

お相手はシン・たくちゃんブログ
総監督のたくちゃんでした。
またね!!
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