じいじ!シン・ゴジラは素晴らしい映画でありますね~
こんばんは!
ぼくは当ブログ総監督のたくちゃんです。
圧倒的な情報量が特徴のシン・ゴジラ。
この記事は、そんなシン・ゴジラを1分間ずつに区切って解説する連載の第一弾です。
あらすじ
東京湾に漂流中のプレジャーボートが発見され、海保の巡視艇「はまなみ」が現場に向かいます。
今回のみどころ
「散見される初代ゴジラ(54年の第一作ゴジラ)へのリスペクト」
作品の上映開始されると現東宝マークに続いて旧東宝マークが画面に流れます。東宝のマークが2種類流れるのは不思議な構成です。
2つ目の東宝マークは「怪獣大戦争」(65年)から「メカゴジラの逆襲」(75年)まで使われていたマークです。
これには作り手の意図があると考えられます。
ではどんな意図でしょうか?
僕の解釈では旧東宝マークには
「この作品を本多猪四郎監督、円谷英二特技監督を始めとしたゴジラを作った先人方と敬愛する岡本喜八監督に捧げる」
といったメッセージがあると感じました。
字幕で表示しなかった理由は、極力観る側に感情移入をさせずに映画に没入してもらうためだと結論します。
ゴジラの足音と咆哮からのタイトル
「シン・ゴジラ」
映倫
これは第一作ゴジラ(以下ゴジラ54)のオマージュです。。
そして今作が今までのゴジラシリーズと違う点はタイトル後すぐに本編が始まることです。
昭和ゴジラではタイトル後にテーマ曲と共にキャスト、スタッフクレジットが映されました。
平成ゴジラではプロローグ→タイトル→クレジットという流れになっていました。
いつも通りの構成なら冒頭で「長谷川博己」「石原さとみ」とキャスト名や「総監督 庵野秀明」といったメインスタッフがクレジットされていたことでしょう。
しかし今作ではプロローグが無く、いきなり本編に突入し、立て板に水で物語が進行する構成になっています。
この演出も映画に没入してもらうための工夫です。
タイトルが終わり最初に画面に映される映像は海面に描かれた航跡です。
これもゴジラ54のオマージュです。制作陣がゴジラを1から再構成するという姿勢が窺えます。
冒頭
東京横浜沖に漂流中と思われるプレジャーボートがあると通報を受けた海上保安庁の「巡視艇PC16 はまなみ」が現場に向かいます。
はまなみとは?
実在名は「はまなみ型巡視艇 はまなみPC16」第三管区横浜海上保安本部に配備されている巡視艇です。PCはパトロールクラフトの略。東京港、横浜港の海難救助や麻薬、拳銃密輸阻止の活動も行っています。
船舶火災の消火のための放水銃が前甲板に装備されているが、機関銃などの火力装備は搭載されていません。
プレジャーボートの船名は「GLORY-MARU」GLORYは英語で栄光。
ゴジラ54の冒頭で沈没する貨物船栄光丸のオマージュです。
登録番号MJG-15041。
登録番号は車のナンバープレート同じで船の識別に用いられています。
MJGは製造業者の識別、15041は製造番号となっています。
この登録番号は庵野秀明総監督がお気に入りの作品「マイティジャック」から由来がきています。
「マイティジャック」は円谷プロダクションが昭和43年に制作した特撮作品。
マイティジャック号は今作に登場する巨大戦艦です。その大きさは全幅150ⅿ、全高41m
つまりMJGはマイティジャック号、15041は全幅と全高の数字を繋げたものという遊び心で付けられているのです。
ちなみに余談ですが庵野総監督は自身の愛猫の名前も「マイティジャック」です。
はまなみの隊員がGLORY-MARUに移乗。
記録映像の録画場面という演出がなされるところでちょうど1分です。
海上保安庁の隊員の業務的なやり取りで進行する1分間。
タイトルを伏せて観たらゴジラだとは判らない映像です。
もしかした海猿の新作だと言っても通用するかも知れません。
次の1分では事態は急変します。まだ嵐の前の静けさなのです。
今回のまとめ
冒頭の1分間に数々のゴジラ54のオマージュが練りこまれていたことがお分かり頂けたでしょうか?
これらのオマージュによって
「ゴジラが初めて出現する世界を描きますよ」
というメッセージを受け取れるような構成になっています。
実はゴジラ作品って2作目の「ゴジラの逆襲」からゴジラが存在していることが前提の世界を描いています。
そのためゴジラを目撃した人が「ゴジラだぁ~」と驚くことがお約束になっていましたが、「これまでのゴジラは無かったことにします宣言」を冒頭1分で宣言したのです。
さぁ、全く新しいゴジラはどんな展開を迎えるのか?次回もご期待ください。
参考文献
シン・ゴジラ機密研究読本 富士見書房
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